アカデミー賞(オスカー)の「歌曲賞」(Best Original Song、別名:主題歌賞)の歴代の一覧です。受賞曲と歌手。2023年はインド映画「RRR」が受賞しました。インドにとって初めてのアカデミー賞となりました。
歌曲賞は、映画のために新たに作られた新曲(オリジナル楽曲)が対象です。 いわゆる映画音楽(サントラ)の歌に贈られます。 アルバムでなく、特定の1曲(シングル)を表彰します。
歴代の受賞曲の一覧へ ▼歌曲賞は、作曲家・作詞家に授与されます。 別名「主題歌賞」と呼ばれることもあります。 ただ、主題歌だけが対象ではありません。 主題歌以外の挿入歌も選考対象に含まれます。 このため、一つの映画から、複数の曲がノミネートされることもあります。 主にボーカル(歌唱)付きの曲が受賞しています。
歴代の受賞作は、名曲や有名な曲が多いです。 それらの曲を聞くと、映画の感動が蘇ります。
21世紀の受賞曲の中では、何といっても「アナと雪の女王」の主題歌「レット・イット・ゴー」(2014年受賞)が有名です。日本でも大ヒットしました。 また、ヒップホップ史上最大の名曲と言われるエミネムの「ルーズ・ユアセルフ」も、2003年に受賞しています。
20世紀では、歌手セリーヌ・ディオンが歌った「タイタニック」の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」(1998年受賞)などがよく知られています。 こちらも当時、社会現象になりました。 また、米国の歌謡曲の黄金時代だった1980年代には、「フラッシュダンス」や「ダーティ・ダンシング」の主題歌が受賞しました。
なお、オスカーの音楽部門には、歌曲賞のほかに、映画のBGM(バックグランド音楽)を対象にした「作曲賞」があります。 オーケストラ等による楽器演奏の曲は、この作曲賞の対象になります。 英語名は「Best Original Score」です。 (アワードウォッチ編集部)
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年 | 受賞作品 | ノミネート |
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2024 |
「バービー」
曲名:『ホワット・ワズ・アイ・メイド・フォー?』 歌手:ビリー・アイリッシュ 劇中の絶妙なタイミングで流れ、観客を泣かせた。風刺やギャグがてんこ盛りの映画にあって、物語の本質的なメッセージを届けるアンカーのような役割を果たした。 「私は何のために作られたの?」という曲名の通り、自らの存在意義を問いかける歌。 人生の曲がり角に来た人の戸惑いや達観、希望が描かれる。 テーマの普遍性と美しいメロディにより、映画のメインターゲットである若者だけでなく中高年・シニア層からも共感を得た。 心に染み込んでくるアイリッシュのソフトな高音ボーカルも魅力。歌手としての卓越した表現力がこれまで以上に称賛された。 いつものように兄フィニアスと2人で作曲した。グレタ・ガーウィグ監督から脚本の草稿を見せてもらい、主人公らにインスパイアされて書いたという。兄妹2人が同時に陥った作曲家としてのスランプを打ち破る作品になったとされる。 グラミー賞では楽曲賞と映画挿入歌の2冠に輝いた。 <▼受賞スピーチ> |
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年 | 受賞曲 | |
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2023 |
「RRR」
曲名:「ナートゥ・ナートゥ」 歌手:ラーフル・シプリガンジ&カーラ・バイラヴァ 作曲家:M・M・キーラバーニ 作詞家:チャンドラボース インド初のオスカー獲得インド映画として史上初のアカデミー賞を獲得した。日本を含む世界の映画ファンを熱狂させたエンタメ大作。その歴史的な成功の象徴としてオスカーが授与された。世界各地で数々の映画賞に輝いており、ニューヨーク批評家賞では監督賞を受賞した。クリティック・チョイス賞など米国の多くの賞で外国語映画賞や国際映画賞に選ばれた。 本来であれば、オスカーでも国際映画賞の有力候補になるべきところだが、なぜか母国インドの代表作品に選ばれなかった。このため、歌曲賞のみのノミネートとなった。 劇中で主人公2人が踊る受賞曲「ナートゥ・ナートゥ」は、主人公2人が劇中で踊る挿入歌。インドの土着ダンスが鮮やかに披露される。3時間の作品の中で何度も訪れる「見せ場」の中でも、とりわけ盛り上がる名シーン。この踊りを真似する人が世界中に続出した。テルグ語で「郷土・民族」の意味歌詞の言語はテルグ語。「ナートゥ(Naatu)」は「郷土・民族」を意味する。歌っているのは俳優でなく吹き替え歌手。インドでは「プレイバック・シンガー」と呼ばれ、映画の音楽シーンで俳優のかわりに歌唱を担当する専門職である。 続き▼インド映画音楽の第一人者作曲者M・M・キーラバーニはインド映画音楽の第一人者。インドのフィルムフェア賞を過去7回受賞している。ラージャマウリ監督の「バーフバリ」シリーズでも音楽を担当した。ダンスの振付師プレム・ラクシータは1977年生まれ。こちらもインドの映画賞の常連で「バーフバリ」シリーズでも振り付けを担当した。 使用シーン本曲が流れるシーンは、英国人総督の公邸で行われたパーティの場面。主人公(ビームとラーム)がインドの民族風のダンスを踊り出す。キレがある力強い動きと息がぴったりの2人のシンクロに、パーティの出席者たちは圧倒される。これに嫉妬した英国男性陣がダンス対決に臨む。ビームが恋心を寄せる英国人女性のリアクションも面白い。RRRとは1920年代のイギリス植民地下のインドを舞台に、2人の英雄の戦いを描く壮絶なアクション大作。日本でも超ロングランの大ヒットになった。【オスカー前哨戦での受賞】 ・ニューヨーク批評家賞 監督賞 ・クリティック・チョイス賞【2冠】外国語映画賞、歌曲賞 ・ハリウッド批評家賞【4冠】アクション映画賞、国際映画賞、スタント賞 ・ゴールデングローブ賞 歌曲賞 ・女性映画ジャーナリスト同盟 非英語作品賞 ・アトランタ批評家賞 国際映画賞 ・ジョージア批評家賞 国際映画賞 ・ロサンゼルス批評家賞 音楽賞、監督賞の次点 ・サターン賞 国際映画賞 ・オースティン批評家賞 アクション監督賞(ニック・パウエル) ・ボストン批評家賞 作曲賞 ・ヒューストン批評家賞 歌曲賞 ・ユタ批評家賞 非英語作品賞、監督賞の次点 ・第25回みうらじゅん賞 <授賞式のパフォーマンス▼> ■■ ノミネート曲 ■■
※2023年の全部門→ |
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2022 |
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」
歌手:ビリー・アイリッシュ 曲名:「ノー・タイム・トゥ・ダイ」 ノミネート曲を開く▼■■ ノミネート曲 ■■
※2022年の全部門→ |
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2021 |
「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」
曲名:ファイト・フォー・ユー 歌手:ハー(H.E.R.) 授賞式のパフォーマンス→ 受賞スピーチ→ 音楽配信(Amazon)→ ノミネート曲を開く▼■■ ノミネート曲 ■■
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2020 |
「ロケットマン」
曲名:(I'm Gonna) Love Me Again 歌手:エルトン・ジョン&タロン・エガートン 作曲:エルトン・ジョン、作詞:バーニー・トーピン 本作は、エルトン・ジョンの伝記ミュージカル。本人が製作総指揮として参加した。 5度のグラミー賞受賞をはじめ、数々の成功を収めてきたミュージシャン、エルトン・ジョン。本作は子供時代から1970年代のブレイク期、依存症のリハビリ施設に入所する1990年代までを、彼の曲にのせてつづる。 監督は『ボヘミアン・ラプソディ』の仕上げに携わったデクスター・フレッチャー。主演は、エルトン本人も演技&歌唱力に太鼓判を推すタロン・エガートン。成功の裏で孤独と戦うエルトンの半生が、数々の名曲とともに オスカーを受賞した曲「(I'm Gonna) Love Me Again」はソウル調の新曲。エルトンと相棒の作詞家トーピンが映画のために書き下ろしした。 映画のラストで使われる。主演タロンとエルトン自身がデュエットした。 ノミネート曲を開く▼■■ ノミネート曲 ■■
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年 | 受賞曲 | |
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2019 |
アリー/スター誕生 「シャロウ~『アリー/スター誕生』愛のうた」 レディー・ガガ&ブラッドリー・クーパー 試聴(Amazon)→ サントラ・アルバム試聴(Amazon)→ ノミネート曲を開く▼■■ ノミネート曲 ■■
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2018 |
「リメンバー・ミー」
曲名:リメンバー・ミー 歌手:ギード・ブロック (作曲・作詞:ロバート&クリステン・アンダーソン・ロペス) 試聴(Amazon)→ ノミネート曲を開く▼■■ ノミネート曲 ■■
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2017 | 「ラ・ラ・ランド」
曲名:「シティ・オブ・スターズ」 歌手:ライアン・ゴズリング & エマ・ストーン (作曲・作詞:ジャスティン・フルビッツ、パセック&ポール) <字幕付き▼> 試聴(Amazon)→ |
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2016 | 「007 スペクター」
曲名:ライティングズ・オン・ザ・ウォール 歌手:サム・スミス 試聴(Amazon)→ |
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2015 | 「グローリー/明日への行進」
曲名:Glory 歌手:ジョン・レジェンド&コモン 試聴(Amazon)→ |
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2014 | 「アナと雪の女王」
曲名:レット・イット・ゴー 歌手:イディナ・メンゼル |
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2013 | 「007 スカイフォール」
曲名:スカイフォール 歌手:アデル 試聴(Amazon)→ |
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2012 | 「ザ・マペッツ」
曲名:マン・オア・マペット 歌手:ジェイソン・シーゲル & ウォルター |
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2011 | 「トイ・ストーリー3」
曲名:僕らはひとつ 歌手:ランディ・ニューマン |
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2010 | 「クレイジー・ハート」
曲名:The Weary Kind 歌手:ライアン・ビンガム |
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オスカーウォッチとは、アカデミー賞の結果の分析を通じて、映画をより楽しむためのサイトです。
オスカーウォッチ編集長。ライター出身。読売新聞社経済部にてIT業界や音楽業界などを担当。2003年からはニューヨーク特派員としてハリウッドのメディア業界や映画業界を取材。2009年にアカデミー賞の専門サイト「オスカー・ウォッチ」を開設。本業は、WEBクリエイト及び株式会社小山グループの代表取締役。好きな映画は「最終絶叫計画」「スノーデン」「ソーシャル・ネットワーク」など。好きな俳優はベニチオ・デル・トロ。